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オペアンプの原理と基本回路

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オペアンプの原理と基本回路

オペアンプの原理

オペアンプの基本原理は2つの入力の差をK倍して出力するものです。 これを数式で表現すると下記になります。

Y = ( X1 - X2 ) ×K

※但し、K >> 1

[ Y:出力、X1:差動入力1、X2:差動入力2、K:ゲイン(増幅率) ]

K はオペアンプの増幅率(ゲイン)でオープンループゲイン(開ループ利得)と言います。

オペアンプは帰還をかけて使用する

一般にオペアンプのオープンループゲインは非常に高く10000倍(100db)以上あります。 このままの状態ではゲインが高過ぎてアンプとしては、使いにくいため、一般的に下図のように負帰還をかけて使います。

イマジナリーショート(仮想接地)動作

オペアンプを負帰還かけて使用した場合、オペアンプの非反転入力(+)入力と、反転入力(-)入力は、電位差の無い状態(仮想接地)になります。 つまりオペアンプは、2つの入力の電位差が、0Vになるように動作する仕組みです。 この状態をイマジナリショート(仮想接地)と言います。

オペアンプの回路構成

下図にオペアンプの基本構成を示します。

入力部は差動増幅回路になっています。オペアンプの基本を理解するには、この差動増幅回路の理解が必要と言えます。

オペアンプの諸特性

オペアンプのデータシートに記載されている項目を解説します。

●電源電圧(VCC,VEE)
オペアンプの正、負電源端子間の許容電圧です。
両電源動作のオペアンプでは±で表現されます。
差動入力最大電圧もこの電源電圧範囲になります。
●同相入力電圧(CMVIN)
反転入力端子と非反転入力端子に同時に印加できる許容電圧です。
一般には電源電圧までが限界値ですが、内部の電流源回路の動作電圧を越える入力には反応できません。
●入力オフセット(VIO,IIO)
オペアンプに入力信号がないときは出力に電圧は現れないはずですが、実際のオペアンプは無信号時でも微小な電圧が現れます。
この電圧を入力オフセット電圧(VIO)と言います。
データシートには、入力オフセット電流(IIO)の項目もあります。
オペアンプの入力オフセットの発生原因は、オペアンプの入力差動回路に起因しており、2つの入力トランジスタのペア性のズレで発生します。
これらのオフセットは、合算され出力に現れます。
データシートではオフセットを入力換算値で表示しています。
また、オフセットは、入力トランジスタのバイアス電流によっても発生します。
●バイアス電流(II+,II-)
オペアンプの入力部は、トランジスタのベースになっています。
トランジスタを動かすには、ベース電流を流さなければなりませんが、この電流を入力バイアス電流(ii+,II-)と言います。
●電圧利得(ゲイン:Gv)
データシートでは、オープンループゲインを表記しています。
●スルーレート(SR)
オペアンプの入力応答出力は、変化傾斜と遅れを持って反応します。
この出力の時間当たりの電圧変化度合いをスルーレート(SR)と言います。
●最大出力電圧(SVRR)
オペアンプの出力が飽和せずに出力できる最大電圧です。
必要とする出力電圧がこの最大出力電圧以下でなければ、アンプとしてのリニアリティを保てません。
オペアンプの使い方:基本の形

オペアンプの基本的な使い方は、下記の2種類があります。

●反転増幅回路
ゲイン(Gv) = Rf / Rs
●非反転増幅回路
ゲイン(Gv) = 1 + Rf / Rs
抵抗値の目安
安心して使用できる抵抗値は、
●RS: オペアンプの入力抵抗の1/10以下
●Rf: オペアンプの出力インピーダンスの10倍程度

経験則的では、RSを10KΩ前後とし、それに合わせて使用したいゲインでRfを決めています。