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ブラシレスモータドライバの設計事例

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商品企画4 ~構想設計(システム、機能設計)~

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ブラシレスモータドライバの設計事例

商品企画4 ~構想設計(システム、機能設計)~

前章で決めた目標設計仕様を吟味しながら具体的な回路システムを設計しして行きます。この時に、各機能ブロックのパーテーション分けと具体的に使用する部品の組合せで機能を実現する方法にも配慮します。

モータドライブ回路の重要項目の抽出

回路を決めていく上で今回のモータ制御の要求スペックでは、以下の2つの特長に特に配慮しなければなりません。

  • ●高速回転制御型
  • ●ロータ位置検出センサ(ホールセンサ)を使用しないセンサレス方式

モータの高速回転制御という事は、電気回路的な表現に置き換えると、高速回転⇒制御周期が短い(周波数が高い)ということです。

また、三相ブラシレスモータなので 制御周期中にモータのロータ回転位置を正確に捕捉し 三相分のコイルへの整流通電と位相同期制御を行うので

a)制御周期×3倍(三相分)

の制御周波数になります。

また、使用するモータの極数(磁石数×2)が増える程、電気制御周期は更に短く(周波数は高く)なります。

b) a)×磁石数

よって、モータ制御機には、モータの機械挙動変位よりも遥かに早い応答性が要求されます。所謂、高いリアルタイム制御性能が必要だという事です。

モータドライブ回路の実現要素の検討

モータドライバの構成は、下記の2つの主要コントロール回路に大別されます。

  • [1]運転器(シーケンサ)
  • [2]ドライブ制御器(ドライブコントローラ)
  • この機能回路を実現するには、次の2種類の方法が考えられ各々、メリット、デメリットがあります。

    1)シーケンサ、ドライブコントローラともに1つの高性能MCUで主にソフトウエアで回路を構築する方法。
    <メリット>
    ⇒使用するハード部品数が少なくて済み製品(基板)サイズを小さくできる。
    <デメリット>
    ⇒回路がデジタル演算処理(ソフトウエア)で構築するため制御実行に演算処理時間が掛かり、リアルタイム性が劣る。
    ⇒リアルタイム性を確保するには、高速なCPUを選ぶ必要があるが、コスト高になり、消費電流も増える。
    ⇒ソフトウエアのデジタル組込み回路技術の難易度が高い
    2)シーケンサは単純な処理だけにして運転指令、ユーザ指令処理、温度監視など高速リアルタイム性が不要な処理だけを行い、モータの高速制御処理は、専用のハード回路(MCD)を使用する方法。
    <メリット>
    ⇒MCUが行う処理は、低速で単純処理となるので高価な高性能CPUは不要になり、低価格、低消費電流の汎用小型MCUにできる。
    ⇒難しいアナログ制御回路のソフトウエアによるデジタル化が不要。
    ⇒ハード回路部品によるモータ制御となり、高速応答性が良くリアルタイム処理性能が高くなる。
    <デメリット>
    ⇒部品数が増えるため、基板サイズ(面積)が大きくなる。
    ⇒アナログ制御定数の設定範囲が、ある程度限定された範囲となり使用するモータメカモデルが大きく変わると回路定数を変更しなければならないので手間が掛かる。
    モータ制御システムの構成方法の選択

    いくら安く小さくできると言っても性能未達なのはナンセンスです。よって、今回は上記の2)案「専用ハードMCD」を使用して制御システムを構成することにしました。

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