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ブラシレスモータドライバの設計事例

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技術解説 商品企画7 ~構想設計(シーケンスコントローラ:MCU)~

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ブラシレスモータドライバの設計事例

商品企画7 ~構想設計(シーケンスコントローラ:MCU)~

構想段階での回路設計が出来上がったら、選定した部品が適切であるかを確認する意味としても、設計ドキュメントを残す意味としても主要な部品(特にIC化された部品)の内容のおさらいをしましょう。

マイコン(MCU)は頭脳

シーケンスコントローラ(MCU)は、外部ユーザとのやり取りや自己システム内の動作調停を行う「制御ドライバの頭脳」となる大切な機能回路になります。

MCUが担う主な機能
  • ●システム全体の動作監視と調停制御
  • ●モータスタート、ストップ
  • ●モータ回転方向(CW/CCW)
  • ●ブレーキ制御の有無
  • ●ユーザから回転指令値を受け取り、ドライバへ指示
  • ●基板温度をモニタし、過剰温度になると運転停止
MCUの選定条件

「兎に角安くする!」を優先して必要機能ギリギリのものを選ぶのではなくマージンを持つように配慮しておくことも大切です。

工程を進めていく中や製品完成以降でも、機能追加や改良することもあるかもしれません。

コスト、サイズなどが許される範囲である程度の冗長性を持たせてMCUを選んでおきましょう。

  • ●できるだけ安価である
  • ●市場、量産実績が多いもの
  • ●できるだけ小型なパッケージが良い
  • ●高速な動作パフォーマンス
  • ●低消費で高効率、高速なCPU(ARM Coretex-Mシリーズ)が良い
  • ●アナログADC搭載(10bit級)4ch以上
  • ●16bitTimer 2unit以上
  • ●FlashROMを搭載しているもの
  • ●シリアルUART、I2Cインターフェース(USB hostがあれば尚ベター)
  • ●QFNパッケージが望ましい
選定したMCU

選定条件を満たす各社製MCUの中より、下記のNXP社製MCUに絞り込んだ。

  • ●NXP社製Cortex-M0コア搭載32bitマイコン LPC11U35FHI33/501
  • ●特長・・・低消費電力 (IDD=130uA/MHz@VDD=3.3V)
  • ●省pin、省スペース5mm□32pin小型PKG
  • ●電源電圧 3.3V(1.8V~3.6V)
  • ●CPU CLK周波数50MHz Max.
  • ●Flash=64kB/EEPROM=4kB/RAM=12kB/Boot ROM=16kB
  • ●UART =1ch/I2C=1ch/SPI=2ch
  • ●USB=1ch
  • ●ADC=8ch(10bit)
  • ●GIO=26
  • ●Timer(16bit×2/32bit×2)
  • ●PKG=HVQFN33(5mm×5mm(t=0.85mm)0.5mmLead pitch)
LPC11UXXシリーズブロック図
LPC11UXXシリーズブロック図 NXP社製MCU

出展:NXP Semiconductors社