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マイクロステップ制御

この回ではステッピングモータの制御方式のうち、マイクロステップ制御について詳述します。

10章 ステッピングモータ制御回路の応用例

10-1 定電流PWMチョッピング・マイクロステップ制御

フルステップの2相励磁モードでは、前回説明した基本の定電流PWM制御回路の仕組みで十分ですが、マイクロステップモードでは、コイル電流を階段状に変化させねばなりません。従って、指令パルス列に同期してDACを変化させてVREFとして与えれば任意の電流変化制御ができます。

マイクロステップ定電流PWM制御回路 マイクロステップ定電流PWMチョッピング制御イメージ
10-2 定電流PWMチョッピング・マイクロステップ駆動実験例

実際に定電流PWM駆動方式でステッピングモータを駆動制御してみます。

実験に使用したステッピングモータ
MDP-35A(日本電産セイミツ株式会社製)
  • ・MDP-35A(日本電産セイミツ株式会社製)
  • ・PM型2相バイポーラステッピングモータ
  • ・ステップ数=48
  • ・ステップ角=7.5deg
  • ・12V/0.3A
  • ・Rcoil=40Ω,L=64mH
実験に使用したドライバIC
TB6608FNG(東芝)
  • ・TB6608FNG(東芝)
  • ・15V/0.8A
  • ・定電流PWM方式2相ステッピングモータドライバIC
TB6608FNG ブロック図
TB6608FNG ブロック図
実験回路図
モータ駆動条件 VM=13V,Vcc=5V,2W1-2相励磁,Vref=0.5V,RF=2Ω
マイクロステップ実験回路[VM=13V,Vcc=5V,2W1-2相励磁,Vref=0.5V,RF=2Ω]
オシロスコープでの観測波形
  • ch.1: AO1(A相モータ端子)波形
  • ch.2: RFA(A相モータコイル電流検出)波形
マイクロステップ定電流PWMチョッピング制御波形

2W1-2相励磁(3bit分解能)の条件で駆動しています。ch.2のRFA抵抗でのA相コイル検出電流は、2W1-2相励磁(3bit分解能)で駆動していますから、設定通りに90degスロープ当たり8段階のステップ変化をしているのが確認されます。

RFA抵抗=2Ωですので、電流最大値を求めるとVRFA最大値は、およそ0.5V なのでIRFA最大値は、0.5V÷2Ω≒0.25A 流れていることになります。

IC内部DACのMSB(最大値)は、0.5V設定で、外付けのRF抵抗=2Ωですので定電流最大制限値は、0.5V÷2Ω=0.25Aと計算通りの結果です。

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