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PWM制御

この回では現在主流の省電力性に優れたPWM制御回路を紹介します。

7章 PWM制御

7-1 PWM制御がトレンド

前回は基本的な定電圧制御と定電流制御を紹介しました。 これは、古典的な直流制御方式でリニア制御と呼ばれるものです。 リニア制御は、非常に滑らかな線形制御が行え、アナログ装置との親和性に優れています。 古くは、オーディオアンプ、無線機、モータ制御などに代表されるアナログ信号処理、増幅器などに 用いられてきました。

オーディオアンプでA級、AB級アンプという言葉を聞いたことがあると思います。 このA級、AB級アンプが、リニア増幅制御器の代表とも言えます。 リニアアンプは広帯域で低歪かつ、高品位な増幅制御性能が得られますが、 無信号(待機)時でもある程度のバイアス電流が必要であることと、 熱損失が大きいためエネルギー効率が悪く(50%ほど)、 熱容量の大きな部品で構成するため、装置も大型なものになってしまいます。 「電気エネルギー大食漢」なため、省エネという観点では難があります。

近年、環境保全、省エネ意識の向上から よりエネルギー効率の良い方法を模索する中で生まれてきた技術が インバータに代表される高速なスイッチング制御によるPWM制御技術です。 半導体の微細製造技術の急発展により、非常に高速なスイッチ動作が可能な素子が実用化され 少し前には考えられなかった高品位性能が求められる安定化電源や オーディオ用スピーカ駆動(D級アンプ)用途などでも 高速スイッチングによるPWM制御が普通に使用される様になってきました。

下表にリニア方式とスイッチング方式の性能比較を示します。

この高速PWM技術により、従来のリニア制御に比べ大幅に熱損失を減らすことができ、 部品や装置の低消費電力化と小型化に大きく貢献しており、 近年の省エネ技術の発展は著しいものを感じます。

7-2 PWMとは

PWM(Pulse Width Modulation)は、高速スイッチングにより電力を制御する方式です。 スイッチのオンとオフの繰り返しを行い、出力される電力を制御します。 一定電圧の入力から、パルス列のオンとオフの一定周期を作り、 オン時間幅(Duty比)を変化させる制御方式をPWM制御と呼びます。

早い周期でスイッチングを行うことで、オンのパルス幅(Duty比)に比例した任意の電圧が得られます。 これは、増幅素子のオンとオフ状態が最も損失が少ない(中間状態は損失が多い)ことを利用した電力制御方式です。

PWMは、優れた制御性と高効率が特長でインバータ回路で広く使われている技術です。 近年、技術普及により、モータ制御、オーディオアンプなどの分野にも広く使われてきています。 モータ制御の場合は、インバータ回路でPWM制御のオンの時間幅(Duty比)を連続で変化させることで モータ駆動に最適な理想に近い正弦波の交流電圧を作ることができます。

下図にPWM制御での入力、出力波形イメージを示します。

【関連ページ】 ドライバ/モータドライバ IC