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ブラシレスモータドライバの設計事例(回路ブロック編)

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温度監視回路の設計と部品選定

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ブラシレスモータドライバの設計事例

(回路ブロック編)

温度監視回路と部品選定

サーミスタ回路設計

設計した⑤サーミスタ回路ブロックのschematic回路図を示します。基板温度測定は1系統、モータ温度の測定は2系統搭載されています。

温度検出規格の設定
(1)基板温度(TSD :Thermal shut down)

信号名TSDをMCUのADコンバータ(10bit分解能)を接続してSiダイオードの順方向電圧を測定し、規定の電圧(温度)に達したら所定の制御を行います。

例えば高温閾値を超えた場合にモータ駆動制御をオフにするケースを考えます。高温閾値を105℃に設定するとその際のSiダイオードの順方向電圧は前述の温度特性から0.47Vとなります。すなわち、順方向電圧が0.47V以下になった事をMCUで検出し、モータ駆動制御をオフにします。

(2)外部サーミスタ温度検知(モータ温度)

それぞれのサーミスタの端子の一方はVDD3.3Vに10kΩでプルアップされており、もう一方はコネクタ(CN3)のCOM端子でGNDに接続されます。温度の測定はプルアップ側のTH1とTH2のそれぞれに生じる分圧をMCUのADコンバータで測定する事で取得します。

常温(T=25℃)でサーミスタの抵抗値は10kΩ。その際の分圧は1.65V。高温閾値を70℃に設定した場合、サーミスタの抵抗値は2.227kΩ=分圧0.6Vです。従って0.6V以下でMCUがモータ駆動制御をオフする様にプロブラムするとモータの温度が70℃以上になった場合にモータの駆動を停止します。

構成部品の選定
(1)基板TSD回路
●Si Diode: D5、D6 東芝製シリコンエピタキシャルプレーナ型 1SS387 (1608)

できるだけ小型で安価、パフォーマンスの良いDiodeを選択しました。

・超高速スイッチング用
・逆回復時間が短い。 : trr = 1.6ns (標準)
・端子間容量が小さい。 : CT = 0.5pF (標準)
・1608サイズ相当の2端子小型パッケージ
●バイアス抵抗: R13=2kΩ (0402)

特に大きな電流は流さない箇所の抵抗なので熱損失は極微です。よって、基板小型化のため、全て0402サイズの抵抗を使用しています。

(2)外部サーミスタ温度計測回路
●NTCサーミスタ:

産業機器で良く使用されているSEMITEC社製 103GT-2を想定。

●外部接続コネクタ:JST社製 PHコネクタ(B3B-PH-K-S: 2mmピッチ)

電気的な性能(絶縁性能、電流容量)に配慮しながらできるだけ小型なコネクタを選定した。 電源コネクタ(2線)は、トップアングルタイプにします(サイド型だと基板サイドに配線がはみ出してしまい小型化の意味がない点とエンドユーザが、マシン筐体に基板をネジ固定した後で横にコネクタ抜き差しするスペースが必要になるので使いにくい為)。

●バイアス抵抗:R11、R12=10kΩ (0402)

特に大きな電流は流さない箇所の抵抗なので熱損失は極微です。よって、基板小型化のため、全て0402サイズの抵抗を使用しています。